| た ら |
 |
漢字で「鱈」(魚偏に雪)と書く事からも分かるように、タラの旬は冬。しかも厳冬期が一番の美味しさです。1年で一番寒くなるこれからの時期、体も心も温まる鍋物には欠かせない魚の一つです。
■タラの種類
タラには太平洋・大西洋・北極海に55種がおり、マダラ・スケトウダラ・コマイ・メルルーサなどが代表的です。日本近海には3種類(マダラ・スケトウダラ・コマイ)が棲息しています。
鍋物でよく使われる切身はマダラです。体の割に頭部が大きく、腹部が肥大するのが特徴です。京都で「芋棒」に使わる棒タラは、マダラの内臓と背骨を取り除き、腹身と背身に分けて乾燥したものです。
スケトウダラはマダラよりも小型でスマート。鍋物や煮つけで食べられますが、かまぼこなどの原料としても使われています。スケトウダラの卵が、普段私達が良く食べる「たらこ」や「明太子」です。(ちなみにスケトウダラを韓国語で「メンタイ」と言います。)
コマイ(カンカイ)は、マダラやスケソウダラなどの比べて小さい魚ということから名づけられたようです。「氷下魚(こまい)」という漢字名の通り、北海道では1〜3月に氷の下に網を入れて漁獲します。通常は加工されて出回っており、特に干物は美味で酒の肴などで食されます。
ちなみに、煮付けに使われるギンタラはタラとは別種の魚で、アイナメやホッケの近縁種です。
また、市場では小さいサイズのタラを指して「ポンタラ」という言い方をしています。
■マダラの分布
北緯34度以北の大陸棚付近に広く分布します。日本では北海道周辺に多く、南限は日本海側では鳥取県、太平洋側では茨城県の沖合いとなります。スケトウダラに比べると定住性が強く、大きな回遊はしないので、多くの地方群があります。
冬から早春にかけて産卵し、2歳で30p前後、成熟する5歳では60pで約3kになります。北の方ほど成長が早い傾向があり、全長1m、体重20kを超えるような大型魚は10歳以上と推定されえます。
■タラの漁獲
マダラもスケトウダラも、北海道が圧倒的な漁獲量となります。底引き網、刺網などで漁獲されますが、マダラでは一本釣りで漁獲されるものもあります。
漁獲量の多い北海道・東北では、タラを使った郷土料理もたくさんあります。有名なのは青森県のジャッパ汁。ジャッパとは捨てる部分の事を意味するのですが、タラのアラ・肝・白子・エラ・胃袋までを利用した料理です。また山形ではドンガラ汁として食されています。
|
 |
 |
■タラ加工品
市場に入荷するタラのうち、塩蔵タラのフィーレのことを、通称「ブアタラ」と言っています。実は宮城県は塩蔵タラ加工品の生産量が全国1位。なんと約3/4も占めます。この加工品の多くがブアタラです。その多くはベーリング海など、アメリカの領海内で漁獲したものを冷凍輸入して加工しています。
「ブワタラ」という名称は、「腑分けしたタラ」が変化したものだという事です。
一塩したものが「ブワタラ」、しないものを「生ブワ」、皮を取って身だけにしたものを「スキミタラ」と呼んでいます。
|
 |
■仙台市場の入荷状況
現在がタラの最盛期!
市場ではマダラ、スケトウダラの丸魚、マダラの生フィーレ(=三枚おろしのもの=生ブワ)、塩フィーレ(ブアタラ)のほか、白子、真子(真だらの卵)が入荷しています。
マダラは1日に150ケース(約12t)も入荷しています。中心サイズは4〜5k前後で、価格はオスのほうが高くなっています。
オスが高いのは白子が入っているからですが、生の真白子だけのものも、1日に60〜80ケースも入荷しています。真子は、いわゆる「タラコ」に対してのマダラの卵の呼び名ですが、こちらも100ケースの入荷があります。
■タラのつく言葉
「たらふく食う」
タラは大食漢。イワシなどの小魚類はもちろん、エビやカニなどの甲殻類まで食べてしまいます。それは、タラが水深150mという深海に棲息しているから。深海では餌に恵まれないため、食べられるときに何でも食べて食いだめをしておく必要があるからです。その大食いぶりと大きなお腹から「たらふく食う」という言葉が生まれました。さしずめ、魚界のフードファイターと言ったところでしょうか。
「鱈ちりは後から食え」
煮ると身はほぐれてしまうが、だしが良く出るため、後から食べる方がうまい、との意味です。
■タラの栄養
タラの身は白身で味が淡白なことからも分かるように、脂肪分が非常に少なく、低カロリーでダイエット向きのお魚です。切身100gは77kcalでブリの1/3以下、同じ白身のマダイと比べても1/2以下という低さです。まさに「たらふく」食べても大丈夫?な食材です。
消化吸収の際に胃腸に負担をかけないので、離乳食や高齢者向けの食事にも向いています。ミネラル類では、カリウム・カルシウム・鉄・亜鉛などをバランスよく含んでいます。
■タラの目利き
鮮度落ちが非常に早い魚です。特に切身になっているものは、買ってきたその日に調理して下さい。
切身はピンクがかって透明なものが新鮮です。反対に身が白く不透明なもの、皮が白っぽいもの、アンモニア臭のするものは鮮度が落ちています。
■タラの料理
白身で特有の光沢があり、淡白な味は塩焼や煮つけ・味噌漬・粕漬などの和食だけではなく洋風料理にも良く合います。
鍋物に使われることの多いタラですが、タラ鍋には昆布を忘れずに入れて下さい。マダラはイノシン酸を始めとする旨味成分のアミノ酸が多く、昆布のグルタミン酸との相乗効果で、さらに旨味が強くなります。新鮮なマダラが手に入ったら、昆布〆でどうぞ。昆布の旨味がタラに移り、身も締まっておいしいものです。
また、天ぷらなどの油料理とも相性が良く、バター焼やムニエル、フライなどもホクホクした身を味わうのに適した料理と言えるでしょう。牛乳との相性も良いので、クリームシチューやチャウダーも美味しいですよ。
水分が多いタラの調理のコツは、まず塩をすること。水気が抜けて旨味が増すと共に、身がしまって特有の食感を味わうことができます。ほんの少しの塩を高いところから振り、10〜30分程度おいてキッチンペーパーで水気をふき取って下さい。
塩タラは商品によって塩分の違いがあります。鍋物などではそのまま使ってよいのですが、フライや煮つけにする場合は、軽く塩抜きをするのが良いでしょう。
|
| たらと白子のレシピ |
レシピブログ「おいしい魚屋さん」では、たらや白子・真子の
レシピをご紹介しております。
たらとあさりの簡単煮魚
たらのおせんべい揚げ
たらの唐揚きのこあんかけ
たらのれんこん蒸し
たらこ昆布の煮物
たらとあさりのトマト
たらとれんこんの和風グラタン
たらの明太マヨネーズ焼
たらのちり蒸し
たらの黄身味噌焼
たらと大豆のトマトソース煮
真白子の天ぷら
たらの韓国風スープ(テグタン)
たらとエリンギの炒め物
真たらこと昆布の煮物
|
|
(作成:仙都魚類滑驩諠Oループ 三島みき) |