仙都魚類株式会社


なめたがれい

もうすぐ2007年も終わり。
もうお正月の準備を始めている方も多い事と思います。
仙台のお正月準備といえば…なめた!ですね。

■なめたの名前の由来
仙台では「なめた(がれい)」と呼ばれていますが、正式名称は「ババガレイ」。漢字で書くと「婆(婆)鰈」、なめたがれいは「滑多鰈」となります。
粘液が多くて汚い(ババッチイ)から婆婆鰈、滑多鰈とついたと言われています。また地方によっては「アワダチ」「シャボン」と呼ぶところもあります。いずれも特徴のあるヌルヌルが名前になっています。

ところでこの「ナメタ」ですが、北海道では「ババガレイ」と呼んでいます。北海道で「ナメタ」というカレイは、「ヒレグロ」を指すようです。魚の地方名は、本当にわかりにくいものですね。

■なめたの特徴
なめたがれいは、カレイ目カレイ科に分類されます。この科の仲間には、真がれい・真子がれい・赤がれい・浅羽がれい・柳むしがれいなど、日本近海だけでも40ほどの種類がいます。
他のかれい類に比べ、なめたがれいは寸胴型をしているが特徴の一つでもあります。口は小さくていわゆる「おちょぼ口」です。
駿河湾以北の太平洋側沿岸と日本海沿岸に分布しており、北海道太平洋岸に生息する群は、冬になると東北の三陸沿岸(八戸沖)に南下し、産卵回遊を行います。

■お正月になくてはならない魚
仙台はもとより、三陸沿岸の各地でも、お正月(お年取り)には欠かせない魚です。いつの頃から始まったのかは定かではありませんが、江戸時代にはそうであったようです。
特に仙台市場は全国でも一番の取扱高となります。
2006年の統計では、東京市場(築地・足立・大田の3市場合計)の約150t弱の取扱数量に比べ、仙台市場では約260t弱となっています。人口比率を考えても、信じられないような取扱数量です。また、価格でも東京市場を抜いています。
仙台でいかに年末のなめたが珍重されているかが、よく分かります。



■今年の入荷状況
なめたは、まず北海道道東から入荷が始まり、以後日高地方、噴火湾と産地が移っていきます。例年ですと日高地方のなめたが入荷の中心の時期ですが、今年は日高地方・噴火湾と並んで道東(釧路・根室)からの入荷もあります。
天候にも左右されますが、お正月向け商材ということで、例年クリスマス後に価格が上がって行きます。
上図でも分かるように、なめたの価格は仙台市場で形成されると言っても過言ではないでしょう。価格のピークは29日から31日にかけてになる予想です。

■なめたのめきき
丸魚の場合は、ぬめりに透明感のあるものを選んでください。切身になっているものをお買い求め頂く場合が多いと思いますが、その場合は肉厚のものが良いでしょう。鮮度が悪くなると、腹の方(白い方)が青みを帯びてきます。

■煮魚が最高
なめたといえば「煮付け」でしょう。真っ白なとろけるような身は、かれいの王様とも呼ばれています。そして何といってもおいしいのが皮の部分です。煮上がった時のしっとりした皮と縁側は最高です。
縁起物の場合は卵の入った「子持」が喜ばれますが、「純粋に魚の味を楽しむ場合は、オスなめたのほうを選ぶ。」と、弊社担当者が言っていました。卵に栄養がいっていない分、身においしさが詰まっています。
なめたの卵は他のかれいに比べて細かく、柔らかいのが特徴です。この卵の味を楽しむなら子持で、身の味を楽しむならオスをおすすめします。
なめたの煮汁は冷めると煮こごりになります。これは、美肌効果がある栄養素としておなじみの、コラーゲンが豊富に含まれているからです。
空気が乾燥しているこの季節には、普段から食べたい魚です。
また、ビタミンやタウリンも多く含まれているので、疲労回復・動脈硬化の予防や血圧の正常化・コレステロール値の低下などにも効果があります。
これから年末に向けて忙しい時期になりますが、消化もいい健康食として召し上がっていただきたいと思います。

■こんななめたもあります。
なめたに切れ目を入れ、一塩をして風通しの良いところで干した「干しなめた」も、また違った味わいです。
干物にすることによって、身のうまみが凝縮されており、こちらの方を好むという方もいらっしゃいます。


なめたの煮付けのコツ

まず表面のぬめりを取り除きます。丸魚の場合は包丁やタワシでこすり落とすのがよいのですが、切身の場合は80度くらいのお湯で霜降りにしましょう。

ボウルに背が上になるように切身を入れて、お湯を周りから入れます。
すぐに冷水にとり、ぬめりや汚れを取り除き、キッチンペーパーで水気を切っておきます。

脂ののったなめたの場合、煮汁はちょっと濃い目が美味しいです。日本酒を多目に入れて下さい。また、ショウガの薄切りやごぼうを入れて煮付けると風味が増します。

普通の煮魚の場合、魚の生臭みを抑えるため煮汁が煮立ってから魚を入れますが、子持のなめたの場合に限って、ぬるま湯程度の温度になったら切身を入れます。沸騰した煮汁に入れてしまうと、卵がはじけてしまう恐れがあるからです。

あとはクッキングシートなどで落し蓋をして、煮汁を魚にかけながらにつけて下さい。


(作成:仙都魚類滑驩諠Oループ 三島みき)