街路樹のケヤキやイチョウも、色づいた葉を落とす頃となりました。そろそろ冬支度を始めているご家庭も多いことと思います。
今回は鍋物や汁物にも最適な、旬を迎えたきんめ鯛をご紹介します。
その鮮やかな赤色の体と、金色に光る目でよく知られているきんめ鯛は、底魚釣の代表的な魚です。
随分派手な魚だと思いきや、きんめ鯛が棲んでいる深さ200〜600mの深海では、太陽の赤色の光線は吸収され、まったく届きません。つまり、深海のきんめ鯛は黒っぽい地味な魚なのです。
きんめ鯛は北海道以南の水深200〜600mの海山に棲息しています。暖かい海では深いところに、冷たい海では浅いところにいます。1年で15a、2年で24a、3年で40a前後に成長し、3年から4年で産卵します。子供(稚仔)の時代には黒潮に乗って北上し、産卵できる成魚になると、産卵を繰り返しながらゆっくりと南下回遊を行っていると考えられています。
その名の通り金色に輝く目を持つきんめ鯛は、どのくらい物を見ることができるのでしょうか。
きんめ鯛は非常に大きな長方形の水晶体筋をもっていることがわかりました。この筋肉はサバに比べて約3倍の大きさになります。また、遠近調節を行う能力にも優れているようで、この筋肉の中に太い神経が300本もあることがわかりました。
さらに凄いことに、もう一つ優れた機能を持っています。タペータムという反射膜で、一度網膜に入った光をもう一度再利用して物を良く見ているのだそうです。きんめ鯛はこの優秀な目の機能によって餌を捉えているのです。
仙台市場へは、千葉県の銚子や勝浦、静岡県の下田、高知から入荷してきます。一年を通じて入荷し、入荷量はほぼ一定しています。関東や静岡・高知などの水揚地では人気の魚ですが、最近は宮城県内の量販店にも並ぶようになりました。静岡県では「旬のさかな13種」にも選ばれ、11月の魚となっています。また、伊豆地方では鯛の代わりの祝魚として、尾頭付で使われることもあるようです。
一般には切身で買い求めることが多いと思いますが、肉質がピンク系の白さで、透き通っているものを選んでください。また、ウロコが大きくて硬い魚ですので、特にアラを料理するときには一度沸騰したお湯をかけて水洗いし、丁寧に取り除くのが良いでしょう。
きんめ鯛の脂はさらっとしていて実においしいものです。脂ののるこれからの時期は、ぜひお刺身やしゃぶしゃぶで味わってください。また、定番の煮付けや鍋物、ムニエルなどもおすすめです。特に頭や骨などのアラからは良いダシがでますので、アラ汁やブイヤベースで召し上がってください。
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